患者は40代男性。2週間前に台風による倒木を切っている時に木が倒れ,右足に木が倒れて受傷。直ちに近くの整形外科医院を受診し,治療を受けていたが,皮膚が壊死し,皮膚移植が必要と説明された。インターネットを見て湿潤治療を希望して当科を受診。
初診時,右足背遠位に直径45mmの黒色壊死を認めた。直ちに黒色壊死の中央部を切除したが,壊死の下には大量の血腫が貯留し,深部では中足骨に直接触れることができた。デブリードマン後にズイコウパッドで被覆した。抗生剤は投与していない。歩行も制限していない。
その後は特にデブリードマンは行わず,遊離してきた壊死組織をピンセットでつまんで除去するのみとした。創面の被覆は10日目まではズイコウパッド,それ以降はプラスモイストで被覆した。
壊死組織は30日目ころに全て自然に融解してなくなり,93日でほぼ上皮化した。104日目まで観察したが,瘢痕拘縮,運動障害は生じていない。
初診時 | デブリードマン後 | 5日後 |
14日後 | 26日後 | 44日後 |
58日後 | 71日後 | 93日後 |
104日後 |
(2012/01/25)