症例は49歳男性。2011年10月末にアキレス腱断裂。宇都宮市内の病院の整形外科で10月31日に手術。術後はしばらく異常なかったが,11月28日から局所の痛みがあり,29日に発赤が生じて膿が出た。11月30日に再入院して再手術となった。
12月6日に再度創部が開き,膿が出てきたためゲーベンクリームでの治療となった。
主治医の治療に不安を感じ,ネットで調べて12月12日に当科を受診した。
当科では「水道水で患部を洗い,プラスモイストで被覆」するのみとした。患者さんに処置方法を説明し,自分でドレッシング交換をしてもらい,週に一度の通院とした。また,経過中に表面に浮いてきたアキレス腱の縫合糸は順次除去した。
初診から2ヶ月程で傷はほとんど閉じ,その後は創離開や感染は再発していない。
当科初診以後は抗生物質は投与していない。また,全経過を通じて感染も起きていない。また,前医で処方された装具をつけて歩行していたが,当科でも装具をつけての歩行を続けさせ,患部の安静は行わなかった。
写真で白く見えるのは壊死したアキレス腱であるが,これも積極的にデブリードマンはせず,自然に融解して脱落してきた部分だけを適宜除去するにとどめた。
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(2012/08/13)