足部骨髄炎を伴った糖尿病性壊疽症例

〇〇病院 整形外科/訳あって匿名希望


 九州の某病院に勤務する整形外科の先生からの,治療例の投稿です。いろいろあって,匿名希望とのことです。8月に症例相談のメールを頂き,治療方針と治療法をメールで説明し,つい先ごろ,完治したという連絡をいただきました。

 今回も感染症例でのご相談ですが60台男性、糖尿病未治療患者の下腿創感染です。写真を添付としておりますが、足部の蜂窩織炎の悪化により当科へのコンサルト時には足根骨は骨融解しており、膝下での切断、義足を予定していました。
 陳旧性心筋梗塞後、アルコール性心筋症などがベースにあったためか脊麻でのope開始直後に心室細動、心肺停止寸前となりopeは中止、幸いにも後遺症なく蘇生はできましたが今後の治療で悩んでおります。
 骨融解を伴う感染例で保存加療で治癒したご経験はありますでしょうか。ご教示いただけましたら幸いです。
 この質問に対する私の回答です。
骨融解を伴う糖尿病性壊疽の治療経過です。
   ⇒【糖尿病性壊疽の治療例】
骨のサイズは違いますが,治療の原則は同じです。
 
 そして,数日前に,完治したという連絡をいただきました。
 その後ドレナージに気をつける程度の治療のみとしていたところ滲出液も減少し、レントゲンでも驚くことに骨形成を認めてきました。
 骨形成するなら感染は制御できていると考え、閉鎖療法に切り替え本日治癒にいたりました。

 先生のおっしゃられるとおりたかが1例、されど1例。切断の方針しか提示できなかったにもかかわらず、結果としての患肢温存に感謝され恐縮した次第でした。今後の治療方針を考えなおす大きな1症例となりました。
 骨の大きさを問題にする方々への反論ネタの一つにでもなれば幸いですので画像も添付致します。今後ともよろしくお願い申しあげます。

8月下旬 10月中旬


8月下旬 10月中旬


8月下旬 10月中旬 8月下旬 10月中旬


(2012/10/23)

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