この程度の指不全切断なら縫合は不要


 症例は4歳9ヶ月女児。保育園のピアノの蓋に左小指を挟み受傷。直ちに当科を受診した。
 当科受診時,左小指末節部は掌側の皮膚軟部組織で連続していて,ほとんどブラブラ状態。圧迫止血の後,アルギン酸塩被覆材を貼付しフィルム材で密封した。
 翌日からはプラスモイストで被覆するのみとし,1日1回,水道水での創部洗浄とドレッシング交換を行った。

 2ヶ月間,経過観察を行った。小指は検測小指に比べると爪がわずかに短く,軽度の変形を残したが(たとえ縫合したとしても,この程度の変形が残ることは防げない),機能的には全く問題はなく,患者さん,ご両親,保育園関係者ともに結果に満足している。

初診時(10月9日) 初診時 10月10日 10月15日 10月22日
爪が伸びてきた

11月2日 12月5日 12月5日 12月5日

(2013/01/15)