低温熱傷の3年後の状態

いりえ内科クリニック 入江哲也


 東京都三鷹市で湿潤治療をしている入江先生からの投稿です。

 本日、たまたま3年以上前に低温熱傷で湿潤療法にて治療を行った方が来院されたので写真を撮影してみました。撮影条件がバラバラなので、良い写真とはいえませんが参考になればと思いお送りいたします。

 2010年1月にあんかで低温熱傷を生じ,某病院から某大学病院形成外科を紹介され,皮膚移植を勧められた方です。3月に当院を受診し、湿潤療法を行い,治療自体は2010年5月でおしまいとしています。

2010年3月1日 4月1日 5月13日

5月28日 2010年12月25日 2013年4月19日


 この写真を見て,熱傷や外傷を内科クリニックで治療するメリットに気付きました。
 入江先生によると,この患者さんはたまたまお子さんの風邪で受診されたそうです。そこで 「そういえば数年前にヤケドの治療をしたけど,その後どうなったの?」 という会話になり,患部を見せていただいたそうです。これは内科クリニック,小児科クリニックにしかできない芸当です。だって,大学病院や熱傷センターだったら,治療が終了したらそれっきりで,子供が風邪を引いたからといって大学病院や熱傷センターは受診しません。

 保存的治療で上皮化させた熱傷の3年後,5年後の様子を観察できるのは内科や小児科のかかりつけ医だけです。熱傷治療をする内科や小児科クリニックが増え,創部の様子をデジカメで撮影して保存するようになれば,これまでの医学では不明だった 「深い皮膚欠損の長期予後」 が明らかになります。

(2013/04/25)

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