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第1回愛知県PDNセミナー & 第4回東海創傷ケア研究会開催のお知らせ 2010/05/07(Fri)/Y2
第1回愛知県PDNセミナー & 第4回東海創傷ケア研究会が、きたる5月29日(土)に名古屋駅前の「ウインクあいち」にて開催されます。
会の詳細、申し込みにつきましては、http://www.peg.or.jp/seminar/kaisai/aichi/100529.pdfをご覧ください。
症例検討や質疑応答にも十分な時間を確保しておりますので、皆様奮ってご参加ください。
創傷ケア研究会 2010/04/05(Mon) 夏井@管理人
創傷ケア研究会(ラップ療法研究会),現在の形でいいのでしょうか。
私は過去のいきさつもあり,昨年まで3回出席しましたが,これは普通の意味では「研究会」ではないと思います。世話人会があり,その後に鳥谷部先生と私の講演があり,その後は立食パーティー,というのが同研究会の内容ですが,研究発表もなければ新しい工夫の発表もありません。
なぜこうなるかといえば理由は一つです。OpWTは完成された治療だからです。将来,これをしのぐ褥瘡治療法が開発される可能性は殆どないでしょうし,治療の改良もないと思います。それほど完璧な治療法です。改良の余地がほとんどない治療法について「研究会」を開く意味はないと思います。衆知を集めて研究するのが「研究会」なら,OpWTに関しては研究会を作る必要はありません。
もちろん,ラッパーたちが年に一度集まって懇親を深める,気勢を上げる,という意味を否定するものではありませんが,それならばなお「研究会」という形をとる必然性があるのかと考えてしまいます。
研究会を作ることでラップ療法という治療があることを宣伝するという意味も考えられますが,医学系に限っても全国規模の学会・研究会だけでも900近くありますから研究会を作っても900の中に埋没してしまいます。
私はよく,「なぜ,湿潤治療研究会を作らないのですか?」と質問されますが,「作る必要がないから作りません」と答えています。研究会を作らなくても情報交換・意見交換ができる時代になったからです。
研究会や学会は,関係者が一箇所に集まらないと意見交換も発表もできなかった時代の遺物に過ぎないような気がします。
ちなみに,私は褥瘡治療に特に興味を持っているわけではありませんし,むしろ,褥瘡治療だけに力を入れるのはナンセンスだと思っています。だから,この研究会に出席する度に違和感というか,居心地の悪さを感じています。
安全な「熱傷の湿潤治療」のノウハウ 2010/04/06(Tue) カネコ@北海道
ご指定ですのでスレッドを変えて
>くろ先生
>モイスキンパッドは僕も試してみましたが,期待していたよりも吸いません。
それは吸収「力」の話でしょうか?それとも吸収「量」の話でしょうか?モイスキンパッドは吸収量はあんまりありませんので、浸出液が多い場合には割とすぐ吸収体が飽和して過湿潤になってしまうと思いますが、吸収「力」は比較的強いので割と乾燥傾向になるドレッシングだというのが私の認識です。
>僕もいろいろ試行錯誤しましたが,広範囲熱傷に対しては夏井先生の方法(短冊状に切ったポリ袋+平型オムツ)が
> 現時点で最も有効なドレッシングではないかと思います。
なるほど。パンチ等で穴を広げる方法やポリエチレンメッシュはお試しですか?
パンチ法でドレナージ量を増やした方法は私も良くやるのですが、どうも熱傷のようにサイトカイン量の多い浸出液では表面張力でポリエチレン表面に貯まる浸出液が多いせいか、創面が浮腫傾向になるという印象があります。同様に短冊法だとこれで過湿潤になるんじゃないかなと推測していたんですが。
今までで一番具合が良かったのは「○○(名前を出せないのが惜しい・・・)」の表面についていたメッシュでした。コスト面の問題がなければこれを常用したいなと思ったぐらいです。
多分、市販のポリエチレンメッシュでは、吸収過多になり(櫻井先生の方法は、上手く行くのかも知れませんが・・・), 乾燥・固着してしまう可能性があるとのことでした。お騒がせし申し訳ありません。
陰圧閉鎖療法について 2010/03/31(Wed) カネコ@北海道
本年度の診療報酬改定で「局所陰圧閉鎖療法」に対するコスト算定が可能になりました。これはほんとに酷い話になってます。
J003 局所陰圧閉鎖処置(1日につき)
1.被覆材を貼付した場合
イ100平方センチメートル未満 1600点
ロ100平方センチメートル以上200平方センチメートル未満 1680点
ハ200平方センチメートル以上 1900点
注 初回の貼付に限り、イにあっては 1690点を、ロにあっては2650点を、ハにあっては3300点をそれぞれ所定点数に加算する。
2.その他の場合 900点
1の各区分は、創が感染しており頻回の交換が必要である場合等を除き、原則として2日間連続して算定出来ない。なお、2日以上連続して算定する場合には、診療報酬明細書の摘要欄にその理由と医学的根拠を詳細に記載すること。
局所陰圧閉鎖処置を算定する場合は、区分番号「J001-4」重度褥瘡処置および区分番号「J053」皮膚科軟膏処置は合せて算定出来ない。区分番号「J000」創傷処置または区分番号「J001」熱傷処置は合せて算定出来るが、当該処置が対象とする創傷を重複して算定出来ない。
局所陰圧閉鎖処置終了後に引き続き創傷部位の処置が必要な場合は区分番号「J000」創傷処置により算定する。
VACだけのコスト算定を認めるとバランスが取れないという理由での点数付けだと思いますが、これは本当にいろんな面で酷い。
この記載からは当然のことながら簡易陰圧閉鎖療法も含まれます。
で、簡易陰圧閉鎖療法の1回当りの材料費コストは1000円ちょっとです。10×10cmの褥瘡があったとすれば貼る被覆材は15×15cmぐらいになりますので面積は225平方センチメートル。従って初回コストで3万3千円、2回目以降からも1万9千円のコストを算定出来ます。
もう、ウハウハですねw
埼玉医大の市岡教授はこの保険収載でVAC(陰圧閉鎖療法の専用装置)の普及をもくろんだかも知れませんが、この点数算定でVAC購入の許可を出す経営者はよほどの間抜けでしょう(VAC本体の使用は別に初回に限り8万円のコスト算定を出来ます)。
もっと酷いのが
陰圧閉鎖療法後のコストは上の10×10cmの創であれば550円www
さあ、この場合陰圧閉鎖療法が必要なくなっても被覆材治療しなければならないとなれば、陰圧閉鎖療法を継続する人の方が多いんじゃない??10×10cmのハイドロサイトは1枚1200円。しかも3週間までしか算定出来ませんから、後は全部持ち出しになります。
だったら陰圧閉鎖を継続してコスト算定しますよね、普通。
陰圧閉鎖療法はメリットも大きいですが、持続吸引器や注射器を常時付けていなければならないのでADL制限やリハビリ制限などのデメリットも大きい治療です。こういう無茶を推奨するような点数付けっていったい・・・
個人的見解としてはポケットが十分小さくなり、壊死組織が消失した創ではもはや陰圧閉鎖療法に適応はないと思います。でもこの点数付けだと不要になっても陰圧閉鎖療法を継続する医師は少なくないでしょう。
「Expert Nurse」4月号のラップ療法特集 2010/03/30(Tue) 夏井@管理人
皆さん,この特集をお読みになりました?
すごいですよ。ラップ療法なのに「鳥谷部のと」の字も出てきません。
座談会の出席者は水原章浩,田中マキ子,小山恵美子,塚田邦夫,そして司会が岡田晋吾という錚々たる面々ですが,本来ならこの場にいなければいけない「鳥谷部俊一」が入っていません。しかも,出席者の全員が鳥谷部先生の名前を一言も出さないと言う異様さです。
日本褥瘡学会側で「ラップ療法を入れるのはしょうがないが,鳥谷部は外したい」と考えているのかな,という気がします。
しかも,大浦大先生は『発想の転換で生まれた! 褥瘡の「ポリウレタンフィルム療法」』という文章を書いて,さも自分がラップ療法を発明したというような書きぶりです。「庇を借りて母屋を乗っ取る」作戦かなと思われますが,いかがでしょうか。
「ラップ療法に対する私たちナースの抵抗感というのは、1つには、創傷被覆材が多くの臨床経験を通して進歩してきたものであるのに、それをラップに切り換えるのはある種の”後退”ではないかという思いがあるのです。」また、小山看護師の
「むしろ、そう言うケースの場合、ナースに褥瘡をきちんとアセスメントする力がなければ、適応でもない状態にもかかわらずラップ療法を継続し、悪化させてしまうのではないでしょうか」なんてことを書いてますが、これって思いっきりブーメランであることに気づいていない。実際問題、私のところには大学病院から紹介されてくる創傷治療を要する患者が結構いますが、大学病院のWOCにぐちゃぐちゃにされて送られてくるケースは希じゃないのです。
「浸出液が多いから大穴ね」こういう会話が日常的に成されています(褥瘡以外でも)
「浸出液はあんまり多くないけど、粘稠度が高くてドレナージ効率が悪いから大穴にしよう」
「浸出液が減ってきて乾燥傾向だし、小穴の方が良いね」
*******************************に尽きると思っています。
「ラップ療法に対する私たちナースの抵抗感というのは、1つには、創傷被覆材が多くの臨床経験を通して進歩してきたものであるのに、それをラップに切り換えるのはある種の”後退”ではないかという思いがあるのです。」
*******************************
地方会世話人を辞めました カネコ@北海道
今年のラップシンポ以降、ずっと考えていたことなのですが、日本褥瘡学会北海道地方会の世話人を辞めました。
理由は2つで、一つには大浦代表世話人の独断専行が目に余ること、もう一つはそもそも褥瘡学会自体に「なんか意味ある?」という感が強くなってきたことです。
褥瘡治療でこの先 コ ス ト を か け ず に 治療するsomething newが出てくる可能性は極めて低いですし、実際問題、OpWTと簡易陰圧閉鎖療法だけで何も困っていません。そもそも3度以上の褥瘡の発生頻度自体がうちの 町 全 体 で 年に1例あるかないかの状況です。
今後、褥瘡学会に意味があるとすれば、治療を分かっていない人のためのセミナー開催ぐらいのものだと思いますが、今後に渡ってOpWTが褥瘡学会主催のセミナーで取り上げられる可能性もほぼ無いでしょう。もし必要であれば向こうから頭を下げて依頼してくれば良いだけの話ですしね(ありえないけど)。
ってことで、2年任期の世話人を継続する意志があるかどうかと言う問い合わせが来た段階で辞任すると返信しました。
滲出液の組成について 2010/02/13(Sat) /たけ@血管外科
創部からの滲出液の組成についてです。きれいな創から出る滲出液の組成について調べているのですが、どなたかご存知の方がおられますか?いわゆる血清滲出液といえば、リンパ液が主体とは思うのですが。
ご教授頂けないでしょうか?
もし28歳だったらどうされていましたか? 2010/01/25(Mon)/activin@香川
78歳の熱傷患者さん、退院されるのですね。
今まで半年間、いろいろなことを学ばせていただきました。
症例のご提示、ありがとうございました。
今回の症例は78歳とご高齢のこともあり、在宅という結論で間違いないと思うのですが、もし同じ条件で28歳の3度熱傷、30%の患者さんを治療されるとしたらどのような方向性が考えられるのかご教授いただければと思います。
子どもを泣かせない外科 2010/01/07(Thu) /カネコ@北海道
本日の子どもに関する記載、全く同意します。
当院でも子どもが泣いて帰ることは滅多にありません(100人に一人ぐらい?)。
2才ぐらいどころか、1才前半の熱傷患者が来院することも希ではありませんが、ニコニコして自分から「はい!」と患部を出してくれることがほとんどです。
もちろん私も白衣を着ていますが、それは全く関係有りません。
以前別なところにも記載しましたが、大事なことは「子どもに嘘をつかない」と言うことだと思います。痛いことは痛いと教えること、これだけで麻酔注射をする縫合処置でも9割の子どもはちゃんと協力してくれます。
外来ではよくお母さんが「痛くないよ」と言いますが、その場合にでも必ず「嘘を言うのは止めましょう」と窘めます。こういうことの積み重ねが大事だと思います。
1歳児の手掌熱傷 2009/12/28(Mon)/長渡@浜松