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氏名,所属病院,診療科(医師の場合),所属病棟(看護師の場合),連絡先を明記してご連絡ください。

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WOCナースさんからのご指導  2009/03/12(Thu)/投稿者: 3

最近、wocナース(私は面識がありませんが)から得た創(褥瘡)処置についてなのですが…

@“創部の浸出液が多い場合は、ハイドロファイバーを厚めに折って使用する” A“黄色壊死部の洗浄時は、指で軽くなでながら黄色壊死を少しずつでも除いていく”
などがあると言われてたそうです。
湿潤環境で創を治している先生方も、最近ではそういったことをされているのでしょうか?@Aの効果が、勉強不足なため理解出来ないでいます。
しかし、何となくしっくりいかず、根拠が理解できません。。。

@に対して、浸出液がそれ程多いのであれば、ハイドロファイバーを2重にしなくても、浸出液が多いドレナージ法は、安価で済むもので十分いけるのではないか?
ハイドロファイバーがゲル化するとは言っても、褥瘡などの場合は、圧迫などがかかる部位に発生しやすいこともあり、ゲルとはいえ2重3重になることで多少の圧迫を生じないのか?など考えてしまいました…。私の考えるドレッシング材としては、同じ効果が望めるのであれば安価なもの、また、湿潤環境は保たれるが出来るだけ圧迫の加わらない薄いもの、という観念がありました(汗)

Aに対しては、洗浄時、指で軽くなでる程で流れ落ちてしまう黄色壊死であれば、300〜500mlの多めの洗浄によっても流れ落ちそうな気がするのですが…?
黄色壊死を指でなでる効果は、有効なのか?それとも他にも効果があるのでしょうか?

上記の根拠をぜひ知りたく思っております。
納得出来れば、すっきり出来そうです…。




ケナコルトAの回収 2009/03/01(Sun)/投稿者: 水野@尼崎

ケナコルトAはたしか花粉症で使われることが最近取り立たされていますよね。
これさえ1本打ったら1シーズン効き続けるとか。
(詳細は存じませんが。。。)

ちなみに私もとうとう花粉症デビューしそうなのですが、ケナコルトA、もしくはその同等薬を使ってみようと思います。
治療経験のある先生、または実際にご自身でされている先生方のアドバイス等をいただけたらと存じます。




過剰肉芽のステロイド使用について  2009/02/27(Fri) /投稿者: 3

カネコ先生に過剰肉芽のステロイド使用について、ご教授して頂いたのですが、ステロイドを使用する場合、何という病名でレセプトがとおるのでしょうか?
効果については、カネコ先生から資料を郵送して(カネコ先生お手数おかけしました。ありがとうございます!)頂いたものを、当院Drへ提出してみたいと思っておりますが、病名のつけ方をお教えして頂ければ大変助かります。
当院では、過剰肉芽にステロイドを使用したことがありませんので、当院Drに(ステロイド使用についての病名)を情報提供しないと、使用時「病名記載」は、分からないかと思います(汗)
ご教授して頂ければ、大変助かります。宜しくお願い致します。
現在、胃ろう口より、0.4×0.3cmくらいの過剰肉芽があります(肉芽はすぐに出血しやすいので困っています)が、その大きさくらいにステロイドを使用することによって、ある程度の退縮は期待できるのでしょうか(ステロイドを使用すれば、必ず全てが退縮するとは言い切れないのは承知で)?それとも、サイズ的に切除適応なのでしょうか?
過剰肉芽にステロイドを使用している先生方へ、大変申し訳ありませんが、ご教授お願い致します。
※意外と、「○○過剰肉芽」とかで良かったりするのでしょうか?




Hibワクチン 2009/02/27(Fri)/投稿者: 新米ママナース

この冬、とたんにものすごい流行ってますよね?やっと日本で認可されたからだと思うのですが、乳幼児の細菌性髄膜炎の原因菌のインフルエンザ菌のワクチンということですが、ちょっとこの勢いに乗って何千円もかけて3回も病院に行くことに抵抗を感じている新米ママです。

インフルエンザ菌は喉の常在菌ですよね。
血漿があると増殖するということですが、風邪を引いて喉に炎症を起こすと血漿が滲出するために増殖して髄膜炎になる・・と・・・

日本人には2000人に1人だと・・・それって・・・

問題はインフルエンザ菌の免疫をつけることよりも風邪を予防することだと思うのですが、病院に行って風邪をうつされる可能性とインフルエンザ菌により髄膜炎になる可能性はどちらの方が高いのかは明らかだと思うのですが、

やはり外国で有用だった実績があって、厚生省が勧めている以上打つべきなんでしょうか・・

同じことがインフルエンザワクチンにもいえると思うのですが・・・




口内炎 2009/02/26(Thu)/投稿者: サカ@vet

ここ1週間ぐらい口内炎(自分の)で悩んでます。潰瘍性の口内炎です。
昨日のためしてガッテンで口内炎の特集がされてました。
口内炎の治療も、湿潤療法と同じだみたいなことを言ってたのですが、ちょうど仕事が入って続きを見れませんでした。

痛さに負けて、よくないとわかっていても軟膏買ったりもしてしまいました。

ご存知の方、是非ご教授ください。




ケナコルト代替品について 2009/02/24(Tue)/投稿者: まさと

開業獣医をしております。
ケナコルトAの回収記事、驚きました。獣医領域では、犬の耳血腫の治療に用いており、切開なしで耳介の変形も少なく好成績を収めています。
 そこで獣医の方にお願いなのですが、ケナコルトを用いた耳血腫の治療を書いた獣医関係の雑誌の名前および号を教えていただけないでしょうか。以前、勤務医時代に職場でその記事を読んだ際、ケナコルト以外の薬の使用例もあったかと思います。その薬品名を知りたいので・・・。
 御存知の方よろしくお願いいたします。




パラダイムシフト 2009/02/24(Tue)/投稿者: 3

嬉しい出来事がありましたので、報告させて頂きます。
夏井先生・鳥谷部先生から創などは消毒要らず湿潤環境で治ると言われていることから、8年前から子供等のかなり大きな傷から擦過傷を作っても洗浄しラップ・カテリー〇・オプサイトフレキシフィッ〇スで家庭での治療しており、傷やトビヒ等ではずっと病院には行っておりません。
経験上、下手な医者にかかるより、早く治るからです。(先生方の治療法を知る前に下手な医者にかかったことがありましたが治療は長引くし、治らないからです(特にトビヒ!))
今では、子供等(小学生)は傷くらいなら勝手に洗って勝手に傷のサイズにテープ類を切り、勝手に貼って治しております・・・。最近は、近くにも(登録されている)うるおい療法をされている病院・クリニックなどがあるので安心して受診できますが。

嬉しい出来事とは、子供等のお友達が遊びに来た際、膝小僧をみると市販で売られている透明テープ(オプサイ〇?)のようなものを傷に直に貼っておりました!
聞いてみると「洗って貼るだけ」と言うことでした。お友達の両親は一般家庭の医療関係者ではないです。
子供達は、知識はないかも知れませんが、(間違った知識もないので柔軟性があり)痛くなく・早くきちんと治る治療を経験で知ると取り入れるのが早いのだなと感心しました。
5年もしないうち、消毒・ガーゼなど使い痛い目にあわせた上、傷は洗っては駄目なんて、やってるお医者さんは、現代っ子からは「〇ブ医者 」って言われたりするのでしょうね。
「パラダイムシフト」・・・子供達からさえも?




プラスモイストの使用について 2009/02/19(Thu)/投稿者: 3

以前から、PEG増設した患者さんのPEGケア管理で悩んでおりました。
当院では、PEG増設患者さん全てボタン型なのですが胃ろう皮膚の状態がそれぞれで、何も異常のない方・いつまで経っても排膿らしきもののある方・ハイドロコロイドのペグケアで粘着性があってかぶれる方などいます。プラスモイストの特徴と手にした実感から薄いのにクッション性のあるところ・密封でなく粘着成分がないところ・吸収性に優れたところなどから、ペグケアとして全てクリア出来るのではないかと思いまして。

Dr・患者さんと相談してサンプルを使用してみようと思うのですが・・・質問させて頂いて宜しいでしょうか?

  1. 遊びがあってもボタンの部分が皮膚にあたってしまう為、クッションとして使用する場合(浸出液・排膿など全くない)、どのくらいの期間使用可なのでしょうか?
  2. 胃ろうの部分が、ジュクジュクしている場合の交換日数はどのくらいでしょうか?
  3. シートに切り込みを入れてチューブに挟みこみ、テープを使わず固定させて胃ろう皮膚部分に出来るだけ密着させて使用したいと思っているのですが、テープで固定させないとジュクジュクした創面が乾燥してしまいガーゼ使用と同じ効果になってしまうのでしょうか?(皮膚の弱い患者さんには出来るだけテープ類は使用したくないもので。)
初歩的な質問で大変申し訳ありませんが、お教え頂ければ助かります。宜しくお願い致します。




帝王切開後の皮下膿瘍 2009/02/22(Sun) 22:58 投稿者 : 新米ママナース

12月に帝王切開で出産いたしました。出産後8日で創部の痛みが倍増し、よく見ると傷の周囲が腫れていました。その翌日さらに痛みが増し、陰部全体が真っ赤に腫れ上がっていたため出産した病院にかかったところ蜂窩織炎のようになっていて皮下膿瘍をおこしているため、緊急入院して抗生剤を投与し、炎症が限局してきたところで切開し、排膿する処置を毎日続けました。a しかし、膿がたまっていたのは帝王切開の傷の4〜5cm右(ほぼ右ソケイ部)で、傷からの感染ではないようです。
これは何が考えられるのでしょうか?外傷が無くても皮下膿瘍を起こすことがあるのでしょうか?それともやっぱり帝王切開の傷は関係あるのでしょうか・・?
ぶつけたり、内出血したりしたりした記憶はありません。

ペンローズドレーンを3日くらい入れ、大分膿が減ってきてリバコメになりましたが、とにかく毎日の処置が痛くて痛くて狂いそうでした。
毎日生食で創内を洗浄し、ゾンデで傷の中をつついて肉芽をあげると言う処置でした。リバコメをつめるときも、麻酔なしで肉を切られるような痛みで毎日悲鳴を上げていましたが、少しでも痛くない処置方法はあるのでしょうか?

また、帝王切開の傷はケロイド状に残り悩んでいるママ友達が非常に多いのですが、今からワセリン+ラップをしたら傷はきれいになりますか?やはり閉じてしまった傷にしても意味は無いですかね・・・

質問ばかりですみません。




「シャンプーレス洗髪」経過報告 2009/01/28(Wed) /投稿者: 北の国からナース

久しぶりに、というか、いまさら感の強い話題かもしれませんが、 報告します。

昨年度12月より、シャンプーを使わずにお湯で流すだけの頭皮マッサージを施行しています。(期間およそ一ヶ月半)

【具体的内容】

【妻の評価】
約一ヶ月内緒にしていて、特に匂いなど気付かれることはありませんでした。こちらから「実は・・・」と告白すると、驚いていましたが、匂いをかいでもらっても、特別匂わないという感想でした。

【個人的な評価】
正直、シャンプーを使わないことで「ある種の爽快感」が感じられないと思いました。しかし、それはむしろ長年にわたりシャンプーの科学的な匂いに慣れていたせいであり、今の状態がむしろ自然なのかな、と今では思っています。

確かに抜け毛は減り、環境的にも経済的にも良いと思って今後も続ける予定です。
ただ、実際の頭皮と毛髪の状態がどのように変わったのかがきになる次第で・・・誰か顕微鏡で覗いてくれないでしょうか?(笑)
(毛根部が脂で詰まって、抜けにくくなったという理由なら哀しい)




切断指の氷漬け  2009/01/20(Tue)/投稿者: 水野@尼崎

先日環指のDIPより先端を挫滅切断された方が来院したので高次の病院に紹介しました。
そのときに落とした先端の保存なのですが一般的には

     「湿ったガーゼ等に包みビニール袋に入れて氷に付けて持っていく」

とあると思うのですが、この「氷に漬けて」の意義とは何なのかなと改めて疑問に思いました。

やはり腐敗防止のためだとは思うのですが、昨日のケースだと搬送先まで20分ほど、季節は冬なのであまり氷漬けに拘る必要は無いのかなと思いました。

皆様からご教授頂ければ幸いに存じます。
よろしくお願いいたします。




植物は? 2009/01/20(Tue)/投稿者: カネコ@北海道

本日の更新履歴〜「なぜ細菌は多細胞化しなかったのか」ですが、細胞壁が多細胞化の障害になったとすると、植物の説明が付かないと思うのですが。




明けましておめでとうございます 2009/01/01(Thu) 投稿者: 夏井@管理人

明けましておめでとうございます。
石岡第一病院の夏井です。

今年もよろしくお願い申し上げます。

この「傷を消毒しない,乾燥させない」治療をひょんなことから始めたのが1999年頃でしたから,それからもう10年です。
「消毒しないなんて非常識,ジュクジュクしているのは化膿しているからだ」とさまざま言われながらも,「医学の常識」に吹き飛ばされることもなく,何とか10 年間,宣伝活動を続けております。それもこれも,活動をご支援していただいている方々あってのことと感謝しております。

さて,今年は3月か4月頃,光文社新書から新刊を発行します。これで治療の普及に少しでも弾みがつけばいいなと思っています。

今年もご協力のほど,よろしくお願い申し上げます。




ゲーベンの素晴らしき破壊力! 投稿日: 2008/12/27(Sat) 投稿者: 夏井@管理人

某大学病院形成外科で治療を受けていた患者さんが,また当科に逃げてきました。熱湯による上肢の熱傷で,形成外科でずっとゲーベンクリーム・ガーゼでの治療を受けていたそうです。治療開始5日目に外来担当医にいきなり「植皮をしないと治らない,年内中に入院して手術しましょう」と言われ,いきなりそんなことを言われても・・・と同僚に相談。そして湿潤治療のことを知り当科を受診,といういつものパターンです。

患部を見ると,熱傷創面の真ん中だけ水疱膜がなく,その周囲には水疱膜が残っていて,ゲーベンをこってり塗ったガーゼが覆っていました。ガーゼを除去し,周囲の水疱膜を除去したら面白い状態になっていました。中心部(=水疱膜がなく,ガーゼが直接くっついていた)の創面は真っ白で2度の深い熱傷,その周辺部(=水疱膜が残っていて,ガーゼは直接創面に接触していない)はすでに毛穴から上皮化が進んでいました。つまり,水疱膜を残してくれた部分だけゲーベンの破壊力から守られていたんですね。

水疱膜の形にくっきりと分かれた熱傷創面の運命,もちろん,しっかりと写真を撮らせていただきました。




広範囲熱傷に対するOpWT〜中間報告〜 投稿日: 2008/12/13(Sat) 投稿者:○○

広範囲熱傷に対するOpWTの中間報告です。
OpWTは10月1日から開始しました。

  1. 「デラカデ」(=テラジアパスタ+カデックス合材)は熱傷センターからほぼ絶滅しました。
  2. ゲーベンもほぼ全滅です。
  3. 2008年1月1日〜10月1日:BI>20の熱傷患者の死亡率は18/24つまり75%でした。10月1日以降はBI>20の熱傷患者の死亡率は1/6つまり16%です。ちなみに死亡例はTBA70%の症例で、いたしかたないと思われる症例です。
  4. 10月1日以降はCHDFなどの血液浄化療法を必要とした患者はおりません。
現時点での印象です。統計学的にはまだ未処理ですいません。
  1. ゲーベン、テラカデは広範囲熱傷患者の死亡率を上昇させます。
  2. ゲーベン、テラカデは血液浄化療法を要する腎障害のリスクを高めます。
当院救急科医師の間でOpWTが受け入れられたのは、やはり、「間違った治療をしていると患者が死ぬ」という事実があるからだと思います。

ところが、患者の状態が落ち着き、形成外科に転科すると、とたんにヨードコートだの、アクトシンだの、創傷破壊薬が使われてしまいます。

おおむね上皮化したあとで形成外科に転科させているので、今のところその弊害はありませんが、自分が手塩をかけて救命した患者さんですから、間違った治療はしてほしくないものです。




イソジン療法とワセリン、尿素について 投稿日: 2008/12/15(Mon) 投稿者 : Y2

夏井先生に先を越されてしまいました(笑)が・・・

先日、プラスチベース+マイルドなステロイド+抗ヒスタミン薬にて改善しないアトピー性皮膚炎の患者さんが、アトピーの治療で有名な某大学病院を紹介してほしいとの希望があり、紹介状を書きました。

その後、他の疾患にて再診された際に、聞いてみると、全身イソジン塗布後入浴、ワセリンとマイルドなステロイドの混合の塗布を指示され、改善してきているとのことでした。

皮膚を見てみると、確かに私が治療していたころより、改善しています。

また、他院にて尿素クリームの全身塗布による治療を受けており、今後当院にて処方を希望される患者さんもありましたが、それなりに有効な様子です。

一方、「プロペトよりワセリンの方が合っている」とか、「ワセリン、プロペト、プラスチベースを塗布するといっそうかゆくなる」と言われる患者さんもあり、理論的にはよくないはずの治療が有効なことがあります。

不思議ですが、事実なのでしかたがありません。

同じような経験をされた方または、ご意見をよろしくお願いします。




いまさらながら穿刺後の入浴とは 投稿日: 2008/11/28(Fri)投稿者: ヘミオラ内科医

 「m3.com(So-net.M3)」という医師限定サイトで申し訳ありませんが,doctors communityの診療Q&Aというコーナーに,穿刺後の入浴という意見交換の場を見つけました。DQNな意見もあって笑えますが,EBMに乏しい習慣を見直すことですら苦痛に感じる人もいるのですね。突っ込みどころ満載です。




心臓血管外科手術時の創感染予防対策  2008/10/30(Thu)/投稿者: たけ@血管外科

ある雑誌に、心臓血管外科手術部位感染に対する予防対策についての論文が載っていました。術前3日間術野にイソジン液塗布、そのうえ乾燥後にイソジンスクラブにて薬液シャワーを行い(術当日まで)、しかも閉創前に希釈イソジン液で皮下を洗浄、創縁に抗生剤注入をするそうです。また術前はイソジン液にてうがい、イソジンゲルにて鼻腔塗布までしています。
この手法によりSSIは378例中1例のみということでした。いまだにこのようにイソジン漬けにしている施設があるのですね。ただし論文中の結果はこの378例中1例というところだけで、以前のやり方でどのくらいSSIが発生したかについては一切ふれられていませんでした。




風呂とシャワーの違い 投稿日: 2008/10/03(Fri)/投稿者: ○○

 当熱傷センターは5年前から浴治療法をやっていません.MRSAが患者間で伝播したからだそうです.
 入浴がダメならシャワーもダメということになり,シャワー浴もやってません.
 ベッドサイドで生食ボトルをチビチビ使いながら洗浄しています.

非常に残念な現状です.

このような残念な現状になった理由を考えてみて,あることに気付きました.

 風呂=閉鎖性 シャワー=開放性という意味で両者は本質的に違うのです.この本質的な違いに気付いていないから「風呂がダメならシャワーもダメ」という結論にいたったのだと思いました.

 また,洗浄水は質(滅菌生食なのか水道水なのか)よりも量が大切だということに気付いていないから,ベッドサイドで滅菌生食をチビチビ使いながら洗うという愚行に走るわけです.

 というわけで,早速部長に言ったところ,すんなりと納得してもらい,シャワー浴を行うことを許可してもらいました.

 そして,当熱傷センターで湿潤療法が受け入れられなかった理由についても同様の図式が当てはまることに気付いたわけです.

同様に当熱傷センターで湿潤療法が受け入れられない理由について考えてみました.

先輩医師の話によると,数年前,当熱傷センターでも一時的に熱傷に対してラップ療法が流行ったことがあったそうです.
ところが,ラップ療法をやった小児熱傷患者が敗血症でなくなったのだそうです.
それからラップ療法禁止になり,テラカデ(テラジアパスタ+カデックス)やゲーベン療法に戻ってしまったのだそうです.

そのときの状況を詳しく聞いてみると,ラップ療法のやり方が間違っていたことに気付きました.

要はラップ=完全閉鎖という誤解のもとに治療が行われていたということです.要はラップ貼りっぱなしで,2日に1度程度しか洗浄していなかったということです.

ボクはこの本質的な間違いを指摘し,周囲の説得を重ね,シャワー浴+開放性ウェットドレッシング療法(決してラップ療法と言わないようにしています)を導入し始めました.

今までなら敗血症で死んでいるような重症患者がみるみるよくなっていくのは快感です.
これは国境なき医師団が,医療が普及していない国に行って,患者がみるみるよくなるのをみる快感と似たようなものじゃないかと想像しています.

「パラダイムシフトはパラダイムの内部からは起こらない」と夏井先生はおっしゃっています.
僕はパラダイムの内部にいる人間ですが,やはり患者が死ぬという現実を突きつけられると,パラダイムシフトは起こらざるを得ないのかなというのが実感です.

改革は急速に進みそうな予感がします.




昔のユニークな治療法 投稿日: 2008/10/10(Fri)/投稿者: カネコ@北海道

mixiの創傷治療関連コミュで聞いたお話です。

以下引用
********************************
娘がまだ小学校低学年の頃のことでした。
煮物を煮込んでいたら、目を離した隙にスープをつまみ飲み?しようとして胸に溢してしまい火傷をしてしまいました。寒い頃だったので流水ではなく、水で濡らした布で取り替えながら冷やし、アルコール(お酒です)で冷やしたと記憶しています。
私はおろおろしてしまったのですが義母が『手すき』の和紙を濡らして娘の火傷に貼りました。私がびっくりしていると義母は「このまま自然に取れるまで剥がしちゃ駄目よ!」と言ったのです。

自然に剥がれるまで放置したら(時間は掛かりましたが…)不思議に治ったんです。ケロイドにもならず…
当初は白っぽい跡になっていたのが今ではほとんど目立ちません。

義母は『手すき』の和紙でなければいけない、機械すきでは治らない と言っておりました。和紙が皮膚の代わりになるんだ とも…

暫くの間我が家では『手すき』の和紙は必需品になっていました。

『手すき』の和紙はキズパワーパットみたいな役割をしているのか気になっています。
娘の火傷は結構酷かったのに、医者にも行かず(と言うより、行っては駄目!の禁止令が…)ケロイドにもならず、ずっと不思議でした。

どなたかご意見をいただけたらと思っております。
******************************

この方によると20数年前のお話とのことです。




家庭用ハイドロサイト 投稿日: 2008/10/08(Wed)/投稿者: Y2

9月にハイドロサイトの家庭用製品「キズケアフォーム」が発売されたようです。
湿潤療法が普及してきていることを実感しますが,5cmX5cm,4枚で1,000円,10cmX10cm,4枚で3,000円だそうで,かなり高価です。

機能的に優るとも劣らないプラスモイストなら,約3分の1の価格で購入できます。キズケアフォームがどの程度売れるのか,興味があるところです。




サンドガーゼとモイスキンパッド 投稿日: 2008/10/08(Wed)/投稿者: ○○

たびたび失礼いたします. 広範囲熱傷患者(濃硫酸による化学熱傷.DB46%)に対してOpWTを開始して2週間が経ちました.その効果は上々で,他のスタッフにも支持されつつあります.

まず,従来のゲーベン,テラカデ(テラジアパスタ+カデックス)と比較ですが,

  1. 3度熱傷のescharがふやけて,自己融解するようになりました.ゲーベンやテラカデでは,escharはなかなか浮き上がってこず,デブリが進みませんでした.
  2. 上皮化が格段に速くなりました.
  3. 患者さんのリハビリが進みます.従来は痛くてリハビリどころではありませんでした.

次に,モイスキンパッドとサンドガーゼFのサンプルを使ってみての感想ですが,
  1. 植皮創に関しては,サンドガーゼFのほうが優れた効果を発揮すると思います.モイスキンパッドはパッチがふやけて剥がれ落ちてしまう率が高いです.
  2. 浸出液のドレナージ効果もサンドガーゼFのほうが優れていると思います.表層の透過性にかけるのが難点ですが,あまり問題になりません.
現段階では植皮創に対してはサンドガーゼF,植皮の適応がないSDB〜DDBに対してはモイスキンパッドかなと考えています.

しかし,病院の台所事情もあり,新規治療材料申請はどちらか一方にしぼらなければなりません.モイスキンパッドは「穴あきポリ袋+紙おむつ」で代用できそうなので,サンドガーゼFを申請しようかと考えています.ただし,使用経験はありませんがプラスモイストも捨てがたいです.

皆様方の中で,熱傷創へのサンドガーゼF,モイスキンパッド,プラスモイストの使用経験がある先生がいらっしゃいましたら,コメントいただけるとありがたいです.

ぜひよろしくお願いいたします.