《スターシップ・トゥルーパーズ》 (2004年,アメリカ)


 一言でいえば,豪華絢爛に作られたお馬鹿に徹した宇宙戦争映画です。内容は死ぬほど下らないのに,最後まで飽きさせないで楽しませ,戦闘シーンは派手で迫力があるし,宇宙戦闘シーンも充実,敵役の宇宙人の動きもかなりいい,というアメリカB級お馬鹿映画で最良の作品でしょう。見終わった後に何も心に残りませんが,あぁ,面白かった,続きがあったら見たいねぇ,と思うはずです。是非これは,シリーズ化して欲しいです。


 えーと,舞台は近未来ってとこかな? 世界は一つの政府になっているらしいんだけど,宇宙からの侵略(?)が相次いでいるらしく,地球防衛軍みたいな組織が作られているのです。そして,軍に応募して兵士として2年間勤め上げれば「市民」としての権利が得られる,という社会制度らしいです。で,テレビではひっきりなしに入隊を勧誘するコマーシャルみたいなのを流しているんだけど,「軍はこんなに格好いいんだぜ」とか,「宇宙からの隕石もこの通り撃墜だ!」なんてシーンの後に必ず「あなたはもっと知りたいですか?」と一言が入っちゃう。この時点で,この映画は軍隊をおちょくっているんだな,ということが判ります。

 で,主人公は高校を卒業したばかりの青年リコ。彼は親の反対を押し切って入隊するんですね。理由はもちろん,市民権を得るというのがあるんだけど,もう一つは,恋人のカルメン(成績優秀)が軍のパイロットになるべくアカデミーに入るから,というのもあったりするわけですよ。でも成績があまり良くないリコは歩兵部隊に配属されるんだ。

 そこでは鬼軍曹のしごきがあったり,同じ部隊の仲間との反目とか友情とかがあったり,仲間の危機を救ったり救われたりするわけよ。新兵の成長物語,ってやつですね。ま,基本的にお馬鹿な連中ばかりで笑わせてくれます。


 ところがその頃,同じ銀河系にある何とかいう星から攻撃があるんですね。その星の住人(?)は巨大昆虫型をしていて,遠い宇宙から地球めがけて隕石だかプラズマ光線だか忘れちゃったけど,攻撃をしてきて一つの街が壊滅しちゃう。

 そこでその星を襲撃して昆虫どもをぶっ殺せ,となり,リコは歩兵として,カルメンは宇宙船のパイロットとしてその星に向かうわけです。その中でロマンスもあれば,部隊長の悲劇的な死もあれば,ヒーローとヒロインの活躍もあったりするわけです。現場の都合を無視した命令を出す司令官とか,口先だけで無能な指揮官とかも登場します。なんだか,お約束みたいなシーンが次から次へと登場しますが,ストーリーは超わかりやすいです。

 初めは「あんな虫けらども,踏みつぶしてやれ!」ってな感じでイケイケムードなんだけど,人間の脳味噌を吸い取って知識を吸収する能力があるもんだから,「虫けら宇宙人」なんて馬鹿にしているうちに敵の方が進化していたりするわけです。それで人間の方が次第に劣勢になって来るんですね。そして絶体絶命のところでヒーローとヒロインが出会ったりして,最後は昆虫型宇宙人のボスキャラが登場。この顔はアップで見るとかなりグロイです。そしてボスキャラにヒロインが喰われそうになっているちょうどその時,ヒーロー登場!


 というわけで,これは掛け値なしに暇つぶしとしては最良の映画ですよ。まだ見てないよ,という方は是非ご覧下さい。

(2006/09/04)

 

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