《フレッシュ フォー ザ ビースト》 (2003年,アメリカ)


 まさかこの映画を見る人はいないと思うけど,まさに見るだけ時間の無駄。45分映画の内容を血みどろで引き延ばして90分にしました,それじゃあまりに悪いからサービスでエッチシーンをたくさん入れときました,ってな映画。

 もしもこの映画を見ようという人には警告しておきますが,絶対に日本語吹き替えで見てはいけません。声優がムチャクチャ下手です。ほとんどセリフ棒読みです。どんなシーンでも同じテンポで抑揚なしにセリフを棒読みするため,なんだか小学校の国語の時間で教科書を読んでいる様子を思い出します。


 ま,要するに,呪われた館ってのがあって,それを買った大金持ち(?)が霊能力者と超常現象の専門家チームに除霊を頼む,というお話です。で,このチームのメンバーが一人,また一人と惨殺されちゃう,というホラー映画ですね。

 グロいシーンはかなりの迫力です。血はドバドバ出るし,天井に貼り付けられた死体から血と臓物がシャワーみたいに降ってくるし,内蔵を吐き出して死ぬお兄ちゃんはいるし,3人のお姉さん@亡霊は全裸血だらけで臓物にむしゃぶりついているし,内蔵ベチャベチャシーンがかなり多いです。こっちの方面にはかなり本気で作っていますので苦手な人は絶対に見ないでね。

 ところが,こっち方面に全エネルギーを使っちゃったのか,本当はメインになるはずの3人のお姉さんの亡霊というか化け物というか,そっちの方のメーキャップは情けないです。顔にお面を被っただけでそれ以外の工夫は一切なし。お面とお肌の境目,見えまくりです。学園祭のお化け屋敷だって,もっと丁寧に作ってると思います。


 この化け物お姉さんたちは,男を誘っては殺しては内蔵を喰って生きている模様です。そのため,屋敷に入ってきた男を見ると,〔私はこの屋敷の住人よ,と登場〕⇒〔いきなりスッポンポンになり誘惑〕⇒〔有無を言わさずエッチ〕⇒〔いきなり顔が怪物に!〕⇒〔相手を殺して喰う〕という手順を踏みます。

 最初は,「おっ,いきなり裸か? サービスシーンってやつだな」と思いますが,それが性懲りもなく3度も繰り返されると,腹が立ってきます。お前ら,それはもうさっき見たから,別の殺し方を考えろよ,と言いたくなります。


 というわけで,ストーリー展開が弱すぎます。内容の無さを裸と血ドバドバ,臓物ビシャーで補いました,という映画です。この方面ならどんなクズ映画でも見たい,という人,世界一下手な日本語吹き替えを聞きたいという人にはお勧めの映画です。

(2006/07/27)

 

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