死ぬほど下らないクズ映画だと言うことをわかった上で見たんですから文句を言う筋合いはございません。しかし,そのクズぶりは私の想像をはるかに超えていました。
えーとですね,アルバトロスの宣伝文には「案山子男 vs 案山子男のデスマッチ」とありましたがこれは嘘っぱちで,最期の7分くらいになってようやく「元祖案山子男(らしいの)」が登場して,案山子男2と格闘します。ちなみに,この案山子男同士の格闘シーンは結構いいです。きちんと格闘技になっています。さすがはどちらも身軽です・・・中身は藁ですから・・・。この映画で唯一褒められたのはこのシーンだけです。後はひたすら,無意味な画像がだらだらと続きます。
どういう映画かというと・・・と説明するのが難しいです。ストーリーが滅茶苦茶だからです。登場人物の言動も首尾一貫していないし,なぜそういう行動をするのか,全く理解できません。恐らく,映画を撮りながら行き当たりばったりにストーリーをでっち上げたものと思われます。
一応ストーリーを追うと次のようになります。
大学の入寮儀式で先輩たちに「あの案山子を盗み出してこい」と言われたデビッドとカール(二人は小学校以来の大親友)が農場に入り込みます。デビッドの恋人がメアリーで,メアリーの親友がジョディ。デビッドはメアリーとの将来の話なんかをしています。それを聞くカールは仏頂面です。この時点で「そうか,カールもメアリーが好きなんだな? だから不機嫌なんだな」と思うのが自然ですが,実はそうではありません。驚愕の真相は最期に明らかになります。
さて,この農場主は父親を案山子男に殺されていて,それで本を何冊も書いていて,テレビのインタビューを受けている最中です。前作の「案山子男」では農場主は白人でしたが,この「案山子男2」なぜか黒人です。気付かないフリをしてあげましょう。
でもって,デビッドが案山子を盗もうとした瞬間,案山子が動き出し,それを見た農場主は,父の恨み,と狙いもつけずにいきなりライフル発射! 弾はデビッドに当たっちゃい,デビッド君はあえなく絶命。しかし,彼の魂が案山子に乗り移っちゃった。
でもって,殺された恨みを晴らし,メアリーをゲットするために案山子男2は次々に人を殺していきます。農場主を殺すあたりまでは意味が分かりますが,その後の案山子男2君は無関係の人間まで殺しまくり状態です。案山子男2君,錯乱状態で殺人を重ねている模様です。
そういえば,前作ではトウモロコシというナイスな代物を武器にしていましたが,今回は鎌を振り回すだけです。個人的にはトウモロコシを使って欲しかったです。
この事件の発端となった入寮儀式を指揮しているのは海兵隊上がりのマッチョ君で,なぜか寮には多数の武器があり,なんとロケットランチャーまであります。ですがこのロケットランチャー,肝心なところで発射しません。故障している模様です。
このあたりから,メアリーとカールは病院(ジョディが入院している)と農場を行ったり来たりします。何でこんなに往復するのか,意味不明です。時間稼ぎと思われます。
で,なんだかんだあって(ここらは何がどうなっていたのか,記憶に残っていません),案山子男2は念願のメアリーを捕まえ,その魂を入れるため(?),せっせと案山子作りをします。案山子が案山子を作る様子,結構シュールです。
そこに登場するのは,さっきの不発ロケットランチャーを手にしたカール君。ここでカール君が叫びます。「デビッド,僕は君に人生の全てを捧げたのに,ひどいじゃないか!」。
えーーーーー,カールとデビッドの関係って,「ジャニーズとジャニー・喜多川さんの関係」と同じだったの? だから,デビッドとメアリーがいちゃいちゃしていて不機嫌だったんだ。うひゃあ,これには驚いちゃったぞ。この映画で唯一びっくりする場面です。
でもこのロケットランチャー,不良品ですから,弾は出ず,カール君はあえなく案山子男2にやられちゃいます。ところがなんと,カール君の魂が,案山子男2が作っていた案山子に乗り移り,案山子男同士の格闘になります。両者とも空手の技なんぞを披露してくれます。さっきまでのカール君はひ弱な駄目男君だったのに,どうやら案山子男になると強くなった模様です。
しかし,,案山子男としてのキャリアの差か,案山子男@カール君はやられちゃいます(・・・画像を見ているとどっちがどっちかはわからないけど・・・)。勝った方の案山子@デビッドをメアリーちゃんがさっきのロケットランチャーで吹き飛ばして,めでたし,めでたし。いつの間にか,故障が直った模様です。もしかしたら,メアリーちゃんが修理したんでしょうか。
案山子の藁が飛び散る中で,不気味に笑うメアリーちゃん。うーむ,もしかしたら次は,美少女案山子が登場する「案山子男3」を作るつもりでしょうか。
というわけで,前作はそれなりにストーリーがありましたが,今回はそれすらありません。それどころか,前作の設定を全く引き継いでいません。前作で,あれほど饒舌だった案山子男は,今回は全く喋ってくれません。連続バック転もワンシーンだけです。
ううむ,これぞ,アルバトロスの面目躍如,ってとこでしょう。
(2006/06/09)
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