私の田舎は秋田ですが,秋田から首都圏に行くといえば,秋田新幹線「こまち」です。ま,新幹線といっても従来からの線路を走っているため速度は遅いし,すごく揺れるし,おまけに基本的に単線なんで駅でない所で留まっては「行き違いの列車待ち」をしちゃう。でもって,踏切が随所にある。それで,お値段だけは新幹線並だけど,大雨が降ると線路が水没してしまうという,とてもナイスな新幹線です。
しかもこれが最近,全席指定になっているんですねぇ。びっくりしたぞ。オイオイ,お前は「のぞみ」か?
これは青森の八戸から来る全席指定の新幹線「はやて」(こちらは普通の新幹線で速いぞ)と盛岡で連結するため,「指定席の金を払わない客を乗せる訳にはいかねえだよ」とこちらも全席指定にしちゃったんだろうな・・・多分。
で,どうなったかというと,首都圏から秋田に行くためには自動的に指定席をあらかじめ取っておかないといけなくなってしまったのです。つまり,自由席が全く存在せず,秋田に新幹線で行こう(あるいは,秋田から新幹線で帰ろう)とするなら,指定席以外の選択肢は存在しません。
でも,年末年始なんてすぐに指定席がなくなっちゃうじゃないですか。でも,予定が直前まで立たなかった,急に秋田に行く予定ができた,という人もいるわけです。この場合,「こまち」に乗るしかないってわけですね(飛行機という選択肢もあるけれど,秋田空港は秋田から遠いし,第一,秋田空港に乗り入れている空港自体がとても少ない)。
で,どうするかというと「立席指定」(だったかな?)とかいうのを購入するわけです。要するに,乗ってもいいけど座っちゃ駄目よ,と明記されている指定券(もちろん,値段は自由席新幹線程度らしい)を買って,デッキとか通路に立つわけですね。なんだか,「指定席代を払わない貧乏人,年末年始の予定が早めに立たないようないい加減な人間は座っちゃ駄目だぞ」と言われている気分ですな。おまけにすごいことに,この「立席」には「こまち3号の16号車に立って乗りなさいね」と明記されているの。立って乗る車両の位置を指定してくれるなんて,JRも気を使ってくれているんですねぇ。
ちなみに秋田県内ではこの「全席指定」について,値段が高くなっただけじゃないの,とか,気軽に乗れなくなって困るという声が上がっているとか・・・(そりゃ,当たり前だって)。
で,私が乗った「こまち」は1月3日の11時頃という,昨年までなら寿司詰め状態で出発するはずなのに,秋田を出たときは1/3は空席で,その後も乗車率はせいぜい110%くらいでした。例年の「1月3日の昼頃の登りの新幹線」からするとガラガラという感じでしょうか。
年末年始くらい,自由席車両を連結するのが常識じゃないだろうか? 全席指定の「ニセ新幹線」しか走らせないなんて,乗客を全く無視している態度じゃないだろうか? 「全席指定の新幹線」というのなら,新幹線並みのスピード(今のスピードなら普通乗用車でも追い越せる程度です)と乗り心地を実現してからじゃないだろうか?
秋田新幹線は基本的なところで「商売」を,そして乗客をなめてないか?
(2004/01/05)
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